2022年10月27日木曜日

【視察】地方自治体の気候危機打開の挑戦 #くまさん・れぽーと vol.234

多摩市では2020年に市議会と市が共同で「気候非常事態宣言」を表明し、気候危機打開に向けた取り組みを進めています。

私が所属する生活環境常任委員会では、その具体化について2年間のテーマとし、12月議会ではその報告、提言などをまとめる予定になっています。

1021日に先進市、小田原市を視察しました。

 

■ 再生可能エネルギーのマネジメント

小田原市には山・里・海があり、多様な再生可能エネルギーのポテンシャルを持っていますが、技術が熟成している太陽光発電がその中心を担っています。

太陽光発電の課題として、天候や時間により発電量が大きく変化することが課題になります。小田原市では日中の電力消費の多い時間帯に発電した電気をあてることに加えて、蓄電池を活用し、発電時以外にも活用する取り組みが進められています。

 

■ 電気自動車=動く蓄電池

しかし、蓄電池はいまだに高価で導入にもコストがかかります。そこで小田原市が目を付けたのが電気自動車です。これを「動く蓄電池」位置づけ、市内にカーシェアリングとして配置し活用する取り組みが進められています。市はコーディネートを担当し、実際の整備・運用については、「湘南電力」、「REXEV」が担っています。

市内に配置されたカーシェアの電気自動車


■ 災害時にも再生可能エネルギーを活用

「動く蓄電池」がより大きな意味を持つのが災害時です。大規模停電時などには電力会社の制御から一時切り離して、大型蓄電池や電気自動車に蓄えられた電気を地域の中で活用する取り組みが想定されています。

避難所などについても、電気自動車を派遣し、電気を活用。残りが少なくなったら他の電気自動車を派遣し、最初の電気自動車は戻って充電する仕組みには驚きました。

この夏の電力ひっ迫時には、再生可能エネルギーを活用し、ピークカットを行ったということでした。

 

■ 「便利なものを選んでいたら、温暖化対策につながった」の実現を

再生可能エネルギーへの転換については、国がまだまだ本気で取り組みを進めていないことや、整備にあたってのコストの問題など課題がありますが、「どうやって市民も含めた市全体の取り組みに広げていくのか?」が多摩市でも、大きな課題になっています。この質問にたいして説明をしてくれた職員さんは「どうしても『無関心層』の方が多い、便利なものを選んでいたら、温暖化対策につながったという取り組みにする必要がある」と答えてくれました。多摩市の今後の取り組みにも生かしていくべき視点です。

公用車置き場の上に設置された太陽光パネル


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