2023年3月9日木曜日

【市民の拠点】豊ヶ丘図書館および複合館を豊かに! くまさん・れぽーとvol.245

 3月2日、岩永ひさか市議(会派:フェアな市政)は「中央図書館の開館と今後の図書館行政について」と題する一般質問の冒頭で、「『公共施設を減らす』と進めてきた『改革』が本当に進んでいるのか?」とし、豊ヶ丘図書館および複合館が「廃止」から「存続」へと方針転換したこと、読書活動推進計画改定前に、豊ヶ丘図書館の再整備の検討が進んでいることを批判しました。

市民の皆さんの声で存続を勝ち取った豊ヶ丘複合館は、まさに地域の市民活動の拠点として豊かに発展させることこそ必要です。


■ 貸出冊数が激減!はミスリード

岩永市議は、「各図書館の貸出冊数のピーク時と2019年度(コロナ禍前)の比較」の表が示し、豊ヶ丘図書館の貸出冊数がピーク時の39.9%(1994年度比)と大きく落ち込んでいると紹介、「次の策を打たないと維持していくことはできない」と市に迫りました。

一見すると豊ヶ丘図書館へのニーズがなくなっているように見えますが、多摩市の図書館整備の経緯を見ればこれはミスリードです。豊ヶ丘図書館の貸出冊数のピーク1994年には、図書館本館は現在の市役所の敷地内にあり、唐木田図書館も開館していません(2011年開館)。つまり、当時多摩市のニュータウンの西側全域のニーズを豊ヶ丘図書館が担っていました。その後の図書館整備によって貸出冊数が減るのは当然。地域館として適正な水準になったということです。

現在でも豊ヶ丘図書館の貸出冊数は地域館のなかで最も多く、仮にそこを閉館するとなれば、地域館全体へと影響が波及します。


■ 市民の「知」の拠点 豊かな図書館を

また、岩永市議は「唐木田図書館の業務委託もふくめれば人件費の削減が進んでいない」「予算に占める職員人件費が70%を超えたままだ」とし、人件費削減を市に迫りました。

質疑のなかでは岩永市議も「図書館には空間と人と資料が必要だといわれる」と言っているように、資料があり、その活用を後押しする専門的な職員がいてこそ、地域のなかで図書館としての力を発揮することができるのではないでしょうか?人を削っていけば、検索端末と予約受け取りだけの図書コーナーになりかねません。


■ 市と市民との取り組みを否定!?

また、岩永市議は『読書活動振興計画』改定の前に、豊ヶ丘図書館の存続について市民との検討が進んでいることを問題視し、「館(の存続)ありきで議論が進んでいる」と批判。「存続を求める陳情が採択されたこと」にたいしても、「中央館の位置など前提条件が変わっている」と軽視し、後段では「市民との検討ではなく、市が計画を示すべき」と迫っています。

豊ヶ丘複合館についてはこれまでも、ワークショップやコロナ禍での中断を挟んでの共同検討会など取り組みが進められてきました。「地域活動の場、豊ヶ丘複合館の存続を」という地域の皆さんの声を無視することは許されません。

紹介されている「読書活動振興計画」冒頭では、「中央図書館の開館準備や地域図書館の大規模改修等不確定要素が多いことから、 令和7年3月までと期間を延長しました。」とされており、現在の状況が前提とされています。


■ 学校図書館では地域館の役割は担えない

また、岩永市議は青陵中学校の図書館が「地域開放」を前提として整備されたことなどを紹介し、検討を求めました。

あらたな場として学校図書館が解放されるのであれば、「豊かな読書環境」へと一歩前進するかもしれませんが、学校に不特定多数の人が出入りすることにはセキュリティ上の課題が生じ、現実的だとは思えません。また、地域館の整理を提案しつつ学校図書館の開放をという文脈で考えた場合には、目的も役割も、資料収集の方向性も違う施設であり、学校図書館の開放が地域館の代替にはならないということを指摘しておかないといけません。

「開放」について、市教育長は「学校教育を圧迫しない前提では可能」と答弁しており、かなりの制約がかかることも予想されます。


■ オープンハウスにみなさんの意見を!

豊ヶ丘複合館の取り組みについては、共同検討会でよせられた「市民の声」や市がたたき台をもとに示した「案」をもとに、オープンハウスが近日予定されています。「必要な機能をもたせる」としながらも、床面積の大幅な削減がみえる市の案に、「本当に市民が求める機能が満たせるのか?」という不安が依然としてありますし、その不安はもっともなものだと感じています。

ここからは図書館・児童館・老人福祉館などの各所管もはいって、市民の求める機能と複合館の今後について検討を進めるということが、第5回の共同検討会では述べられました。

オープンハウスは、これまで以上に広い市民の声を集める意図があるということですし、もちろんこれまで様々な声をよせているみなさんの声も重要です。

ぜひ、「こういうことがしたい」、「これをやるにはこうした施設が必要」などの具体的な声や、不安を生んでいる床面積の削減についても、どんどん声をあげていきましょう。

市民の声にもとづいた、地域の施設の新たな整備手法を、本当に市民の声に寄り添ったものにするため、引き続き頑張ります!

保育園のかえりに寄り道(右手が豊ヶ丘図書館)


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